重度の知的障害がある中学生の息子をもつ親御さんの話。
息子と一緒にコンビニに入ったときのこと、目的の商品を持ってレジに向かうと、頼んだ覚えないない「肉まん」が用意されていた。
「頼んでないのですが」と言うと、店員は「お連れさんが“肉まんください”って…」
これが「買物学習」だと「よく言えたねー!偉いねー」となるだろう。「お店で自分の欲しいものを伝えられる」という目標は達成。
しかし実際場面では、自分で代金を払うあてもないのに「肉まんください」では褒められるものではない。
何かができるようになるのはとても喜ばしいこと。しかしその一方で「状況判断」や「自己統制」が育まれないと、実際場面で活きる力になるとは言い難い。