Institute for Social and Educational Equity

世の中の社会的/教育的不利ってだいたい少数派であることから来るんじゃない?

未知の対象に抱く感情

かつて支援級で受け持っていたAくんが、とある先生のことを「怖い」と評した。とても温和な印象の先生なのに。話を聞いていくと、学校の先生の半分ぐらいを「怖い」と感じている様子。

「怖い」先生に共通するのは、支援級の授業を受け持っていない先生であるということがわかった。日頃接することのない先生たちである。よく知らないことで「怖い」という印象に繋がっているのかなと思う。

しかしそれってAくんの特性故というわけではないんじゃないのか。知的障害のある人にほとんど接したことのない人は、知的障害のある人のことを「怖い」と感じているケースが少なくない。海外で生活したことのない人は、海外での生活について「怖い」という印象を持っていることが少なくない。

つまり、我々は皆「よく知らない対象」を「怖い」と捉えがちと言えるのではないだろうか。「怖い」からますます疎遠になり、溝が埋まらない。

そんな無用の心配を減らすには、やはり「知ろうとすること」「知ってもらおうとすること」なんだろうなあと思う。