「褒めて伸ばす」これはある程度正しい。
褒められてもナンノコッチャ?となるような場合は褒めても伸びにくい。また、褒めたことでその行動が過剰に出現してしまう場合は、ちょっとやり方を考えたほうが良いと思う。
たとえばこんなことがあった。
4校時の終わり頃、もうすぐ給食というときに、応援で入ってくれた先生が「クラスで食べるのが一番早いのは誰?」と聞いた。すかさず手を挙げた生徒に「すごいねー」。その生徒は「早く食べる」ことが強化され、給食をよく噛まずに丸呑みしては犬喰いで矢継ぎ早に口に入れるようになってしまった。いうまでもなく、給食を食べる際に大事なのはスピードというよりも美味しくマナー良く食べることである。
逆に、次のようなことも言える。
体育でボッチャに取り組んでいたときの話。力が強すぎて的球を大きく越えてしまった生徒に対する「強い!」という言葉かけ。もしその生徒が「強い」ということに価値を見出しているとしたら、「そうなのだ!おれは強いのだ!うぉぉぉぉ!!!!」となり、本当は目標としたかった力加減については何も変容が見られないかもしれない。
また、加減しすぎなのか的球に大きく届かない生徒に対する「やさしい!」という言葉かけ。もしその生徒が「優しい」ということに価値を見出しているとしたら、「そうでしょ?ボクって優しいでしょ?」となり、やはり本当は目標としたかった力加減については何も変容が見られないかもしれない。
相手がどんな言葉かけに対してどんな価値づけをして捉えているのかをよく理解し、それぞれの特性に応じて言葉のかけかたを精査することがプロの仕事なのかなと。